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塩素
そもそもの事の起こりは、洗濯物の臭いにあった。着るものをあまり豊富に持っていない私は、一人暮らしにしては洗濯回数が多いほうである。当然、早く乾かないと困ることも多く、必然的にエアコンの効いた室内に洗濯物を干すことが多くなる。
臭いのだ。
初夏に新宿区に越してきてから(あるいは禁煙により嗅覚が鋭敏化してからかもしれないが)、洗濯物が臭いのだ。当初は齢 8年を過ぎた洗濯機にアカ・カビでもこびり付いているのかと思っていたが、洗濯槽クリーナを使ってみても事態は一向に改善されない。しばらくは我慢していたが、季節が秋、冬と寒くなり、洗濯物を室内に干す頻度が多くなるにつれ、本格的に我慢が出来なくなって来た。
時を同じくして気になって来たのが、浴室での妙な臭いだ。普段私はシャワーしか使っていないのだが、浴び始めて数分立つとむせかえるような臭いが浴室に満ち始めるのである。寒くなって浴室を締め切るようになったので気づいたのだろう。
洗濯物、浴室とくれば原因は水しかないだろう。webでいろいろ調べてみると、いくつかのサイトで以下のような文章を見付けた。
塩素ガスは、熱いお湯に解けにくく、空気中に拡散される。シャワーや入浴時に塩素の匂いを感じるのは、塩素ガスが浴室内に充満するからである。人聞が普通塩素の匂いを感じる農度は、3.5ppmといわれているので、その時点で浴室内の濃度はそれ以上になっていることになる。(ネイチャー&ヘルス誌 Dr.ロナルド・S・ローラ)
3.5ppmという閾値を越えた時点で臭いを感じるというのなら、これはうちの浴室と全く同じ現象である。また、以下のような話も
塩素は気化しやすいため(25℃でガス化)、シャワーを浴びる過程で有毒な塩素ガスが発生し、狭い浴室で吸引することになります。更に、塩素は皮膚からも吸収されます。
ですから、シャワーを浴びると呼吸ならびに皮膚吸収により塩素が体内に取り込まれ、その摂取量は水道水を飲んだ場合のそれと比較すると、6〜100倍と高く、人体への影響は無視できないと報告されています。(米国化学学会、1986年)
以前から聞いていたため早速調査を開始する。部屋に転がっていた 500mlのペットボトルに150ccほどずつ 3種の水を採取し、 o-Tolidineの 0.11%溶液を滴下する。
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結果が左の写真である。右より、「ポットで煮沸した水(もちろん冷してある)」「簡易浄水フィルタを通した水」「蛇口からそのままの水」の 3種。蛇口そのままは柿のようなオレンジ色を呈している。
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薬品メイカが試薬に添え付けていたカラーチャート(と私の色覚)を信じるのであれば、うちの蛇口から出たままの水道水はなんと 3ppm近い残留遊離塩素を含んでいるということになる。これは水道法による塩素「最低必要量」の実に 30倍であり、水泳用プールの塩素添加「上限値」の 3倍である。しかし滑稽なことに、現在の日本の水道法では、塩素の最低必要量は規定されているが、上限値は規定されていないため、プールより濃い消毒水を家庭に供給しても合法なのである。
行政に文句を言っても改善されるのにはそれなりの時間(最悪の場合無限大)が掛かるであろうから、悔しいがまずは自衛ということにする。台所の蛇口には浄水器を設置、湯沸し器のシャワーヘッドには活性炭ペレットを詰め、風呂場のシャワーは浄水機能付きシャワーヘッドに換装、洗濯機には取水口に活性炭を詰めたストッキングでもかませておくことにしよう。おそらく一万円を越える出費であり、非常に腹が立つのだがこの際仕方がない。
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うがーっ
深夜に電話代を払いに行って気づいたのだけれどテレホーダイの解約忘れてたよ。せっかく「NTTの軛」から開放されたというのに。
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