平成壱八年七月壱弐日

東京都○○市○○○○○○
株式会社○○ホーム○○
資産管理部○○殿

東京都渋谷区○町○丁目○○番地○号
○○ハイツ202号
立花鳶子 印

○○ハイツ退去要求に関する返答及び申出

○○ハイツ202号室(○○区○町○丁目○○番地○号、以下「現物件」)賃借人・立花鳶子(以下「賃借人」)は、平成壱八年七月九日に株式会社○○ホーム ○○資産管理部○○氏(以下「賃貸人代理」)により提示された「西村ハイツの解体」(別便にてコピーを送付する)に関し、以下の返答及び申出を行う。

賃借人は、提示された書面に記載されていた「昭和56年以降の新耐震基準に満たないこと」という内容に関し、これまで賃貸人代理が定期的な耐震安全確認を行わずに入居者を募集していた事実に強く遺憾の意を表明する。
また、該当書面に記載されていた「移転先お部屋探しに○○ホーム○○をご利用頂ければ仲介手数料は無料とさせていただきます」という文面は、立退き料を賃貸代理人が払わない事を前提とした思想に基づくものと判断し、賃借人は強く遺憾の意を表明する。
更に、今回の解体が昨今話題となった耐震偽装問題に惹起されて初めて事実確認を行い、取り壊しを決定したものであるならば、賃借人にとってあまりに突然のことであり、賃借人は賃借代理人に耐震調査に関する報告書類の提示を要求する。この報告書類の閲覧は借地借家法第弐拾八条(建物状況の防災上の危険性に関する正当な退去要求事由の確認)に基づき要求するものであり、賃貸代理人が閲覧を拒否する場合は、別途同法律にて定義される正当な退去理由が提示されない限り退去要求に応じないものとする。

正当な事由が確認された場合、賃借人は「退去のお願い」に応じ期限までに退去を行う。退去に関し賃貸人は以下の条項の書面での確約及び履行を賃貸人代理に要求する。

なお、本件に関し賃貸代理人およびその関係者から、正当な話し合いとは別の形で、早期立ち退きを求める・立ち退き条件の変更を迫る等の無形有形の圧力を賃貸人が受けた場合は直ちに警察・弁護士等然るべき機関への相談、通報を行うものとする。

以下に提示する条項に関して賃貸代理人に不服がある場合は別途話し合いの場を設けるものとする。

第1項(敷金の返却)
賃貸代理人は、平成壱七年壱拾月○日に賃借人が納めた敷金(○○万円)の全額返却を退去確定時に行う。退去確定日の定義は第4項にて行う。

第2項(移転費用の負担)
賃貸代理人は賃借人が退去のために必要となる新しい住居の賃貸契約・住居移転等に関する全ての費用(カーテン・照明器具など最低限必要となる家財の買い替 え費を含む)を負担する。また、賃貸人が退去に必要とする現金を用意できない場合、転居にかかる資金は、転居先業者・引越し業者等から直接賃貸代理人宛て に請求を行うものとする。該当業者が現金取引にしか応じない場合は、賃貸代理人が無担保・無利子で賃貸人に資金の貸し出しを行うものとする。貸し出された 資金に関しては、賃借人が領収書及び帳簿にて収支を賃貸代理人に逐一報告を行い、過不足が発生した場合はこれを直ちに清算するものとする。清算・貸し出し に関する銀行振り込み手数料等は賃貸代理人が負担するものとする。また、転居先の家賃は現物件と同等程度とするが実際の金額を優先し、現物件のそれに対し 壱万円前後の上限幅を認めるものとする。転居先所在地は原則として東京都内とする。

第3項(慰謝料)
賃貸人は平成壱七年壱拾月に現物件に入居したばかりであり、住所変更から壱年もたたないうちに役所・銀行など各種機関・企業への住所変更の届出等の手間、 インターネット回線及びケーブルテレビ等の移設及び解約に関する損害(解約違約金が発生する場合は賃借人は賃貸代理人に実費を請求する)、勤務する会社へ の引越しに伴う欠勤による損害、現住所居住年数が再び零年間となることによるローン及び各種保険加入時の審査に対しての信用の大幅な低下、及び精神的苦痛 の発生を表明する。このため、賃貸代理人は退去に関する慰謝料を退去確定時直ちに賃借人に支払うものとする。慰謝料の金額は現物件の家賃参箇月分とし、現 物件の敷金の返却とは別のものとする。

第4項(現物件利用権の重複期間)
賃貸人は現物件にて多岐にわたるコンピュータネットワークを構築しており、インターネット回線弐回線による他者へのネットワークサービスも行っている事を 考慮し、ネットワークサーバの移設に猶予をもたせるため、新居への転居後も参拾日を越えない範囲で現物件にコンピュータ等機材を設置し、またその管理のた めに立ち入ることを賃貸代理人は認めるものとする。またこの期間に関しては、現物件の家賃は発生しないものとする。このため、賃貸人は遅くとも平成壱八年 壱拾壱月参拾日までに新居への転居を行う。また、この日をもって「退去確定」とし、現物件からのコンピュータ機材撤去、鍵の返却は退去確定より参拾日以内とする。

第5項(補足及び特例の設定)
退去により賃貸代理人が負担及び賃貸人に支払う金額は、前記1〜3項目の合計おおよその目安として、敷金の返却により現物件家賃の弐箇月、転居に伴う費用として七箇月分(転居先が敷金弐箇月分、礼金弐箇月分、仲介手数料壱箇月分、引越し運送料二箇月分の場合)、慰謝料として三箇月分、合計で現物件家賃の壱弐箇月分及び必要家財購入実費となり、賃貸代理人の支払額はこれを超えないものとする。また、特例として該当全額全額(現物件家賃壱弐箇月分及び家財購入実費として参万円)を転居先の敷金礼金の多寡に関係なく賃貸代理人が賃借人に現金にて直接支払った場合、前1項〜前3項の制約は無視され、賃貸人は支払いを受けてから参箇月以内に退去確定を実施する。

以上、条件についての不明点などがあれば内容証明郵便にてご連絡頂きたく。また、本状にて提示の条件で問題がなければ退去に関する契約書類を送付されたく。

以下白紙