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@#20081227(Saturday)
Candy.1 : The Point of No-Return. 偶然性を越える闘争。ためらいは火縄を湿らせる罠。
これから特に社会になにかを訴えるでもない日のエントリは「Candy $i :」という通し番号を振っていきたいと思います。元ネタは白倉由美の『東京星へ、いこう』より。文章は毎回考えます。
某嬢の家に集められた10人、正確には10組の人間。皆すべて居心地が悪そうである。と、いうのも誰もが服装が完全でないからだ。Tシャツにトランクスのみという私をはじめとして、下半身はブリーフだけのスーツ姿オヤジに右半身だけ裸の妙齢の女性。どうも皆殺されるらしい。
ただ殺されるだけでなく、皆辱めを受けてから殺される趣旨の集まりらしい。本番舞台で台詞をトチって以来吃音だという貧乏役者が受けている責め苦などもはやただのスカトロ。
最後に殺されたのは私。と言っても特に辱めを受けた訳でなくあっさり首を日本刀で跳ねられただけである。小姓から刀を受け取った某嬢のはしゃぎっぷりは異常。首はきちんと瓶詰にして返してくれたので次の予定に間に合いました。
さて次は池袋駅で友人に依頼された仕事。冗談のような話だが本当にその友人は「私立探偵」としか肩書きを書いていない名刺だけをもっており、何で食べてるかよく分からないのだ(これは夢を越えた実話である)。あらかじめ調べておいたルートで線路脇に侵入し、某路線の電車発車時の風圧などを測定。自殺がらみの調査かなんかだろう。よくわからないが。
報酬で少しリッチになったので自転車で北海道へ向かう。東北線沿いの自転車専用路にはあちこちに郵便受けのような boxが用意してあり、開ければいろんなおもちゃや便利グッズがでてくるのだ。福島あたりでこの専用路に入り込んでいた小学生をたしなめたりしたところで目が覚めた。
▼27c
諸星大二郎『栞と紙魚子の百物語』(ネムキコミックス)
実はこのシリーズ、大好きだったりする(苦笑)。基本的にギャグ漫画というのは、ひたすら新しいギャグを開拓するか、読者と作者の間に一種のポラールというかお約束空間を生み出すことによって成立するのですが、モロ☆先生は結構後者ですね。しかも「誰が判るんだこんなの」系のネタという共犯者関係です。本業がギャグじゃないからこそできるのかも。
実はシリーズ5冊目の『何かが街にやってくる』があまりおもしろくなく、絵も荒れていた(筆圧の弱さとか漫画読みにはすぐわかる級)ので心配だったのですが(モロ☆先生の年齢的な意味でも)、本書はかなりパワーを取り戻しておりかなりおすすめです。読んでいてニヤニヤがとまらない。
「妖怪司書」:妖怪司書の鬼の子キイチ君初登場。これからレギュラーっぽいです。探してた書籍『異聞馬頭経』ってこれモンゴル旅行記とか残したイスラムの学者、イブン・バトゥータのことでしょうか。こんなネタがネムキ読者にわかってたまるかよ、ってこの時点で前述のモロ☆空間にはめられてますね。こんなネタばっかあちこちに散らばってます。
これはまぁネムキ読者にもわかるでしょう。ベタ。
連載3回分(3x24p)使って描かれた巻末作品「天気雨」。ヲタな稲荷神萌え。いいかげんにしろww。
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▼27d
黒田硫黄『大金星』(KCアフタヌーンコミックス)
黒田硫黄の最新短編集。未収録作品や入手困難作品がメインなので一応全話解説。
「Shweitzer」:『アディダス・マンガ・フィーバー』からの再録。元はアメリカ向けだったはず。原住民になまけもの扱いされる自転車医師の宇宙治療記。「患者はっ……どこだぁ」(手塚風)
「ミシ」:短期連載で日の目を見なかったがようやく単行本収録。『オバケのQ太郎』や『じゃんぐる黒ベェ』のようなお話に見せかけて、「男が何日も煩悶して愛の告白をしたところで2秒でフラれて相手にはダメージゼロ」という訓話だったりする。スターシステム的な主演は『茄子』でペペ・ベネンヘリや新婚夫婦の夫を演じた彼です。
「アンヘル」:『アンダルシアの夏』のペペの兄貴、アンヘルの兵役前のころのお話。「えーカッコしぃさ、いいじゃねぇか」「目一杯えーカッコしてやらあ」と言ってのけるアンヘル。カルメンと結婚できたのはこの度胸があったからなんですね。
「居酒屋武装条例」:ほんっとに初期の作品の初めての収録。本物を知っている元気なお姉さんは強くてカッコいい、というライフルまんが。
「ぶどうの丘」:短篇ワインまんが。結婚式に恥ずかしいことすると離婚したとき大変だまんがとも。
「ねこねこ救助隊」:『ユリイカ』黒田硫黄特集号からの収録。つまり発表された時点で「黒田硫黄女性説」は120%否定されているわけだけど、その場で自分を女の子キャラにして「本当にあったことの日常絵日記まんが」を描ける黒田硫黄は半端ではない。
「多田博士」:「セレブとかヒルズ族とか考えてみたまんが」と本人は言っていますが、どうみても変な夢をみたのでまんがにしてみた、という感じの人類存亡SFまんが。
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1日2冊のレビューはつかれるので1日1冊にしたいです(・x・)
たしかサービス開始当初に試用してみて、使いづらくって放置していたブクログがリニューアルオープンしていたので気合を入れて全所有書籍を登録してみる。
結果:1567冊(がーん……がーん……
そりゃ引越のたびに業者さんがうんざりするはずだ。当初一番大きな本棚の一段だけ登録して、「目算で1400冊いくかなぁ」と思っていたのだけど余裕で1500越えちゃいました。ちなみに雑誌コードしか振られておらず登録不可な本がこれに加え100冊くらいあったりします。
今のところデータのエクスポートはできないようですが、リストビューにして perlかなにかでもぎゅっとすれば ISBNリストは簡単に取れるのでまぁ安心ですね。早めにやっておこう。
新しく読んだ本もあるし、読み直したい本、積読だった本なども判明したのでマメに記録していこうと思います。
『百合姉妹』『コミック百合姫』(そういえば最近ほとんど買ってません)連載の短編集。桜庭一樹氏推薦と帯に書いてありますが桜庭氏は読んでないんですよねえ私。さっそく何冊か手配しましたが。
まずもって絵柄がかなり好みです///。このタッチというか雰囲気というか、初期のころの谷川史子を彷彿とさせる、というか辿っていけば林静一の世界なのかもしれない。
締切りがきつかったであろう(と解釈する)話はバストショット多めだったりもしますが、全体的にはきちんとフルフィギュアで人物を描こうとする傾向が強くて好印象です。短篇「タイガーリリー」。おばあさんを女学生で描き通すというのは高野文子の『田辺のつる』の手法ですね。
巻末短篇「乙女ケーキ」、読んでいて思わず吹いてしまったコマがこれ。
目の表現といい、横顔の口の処理といいなんという陸奥A子(笑 。やっぱり漫画読みの漫画は楽しいですはい。
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▼25d
西澤保彦『幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿』(講談社文庫) 西澤保彦『念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿』(講談社文庫)
某嬢の本棚に入ってて水玉さんの表紙が目についたので(笑
西澤保彦さんというのは、今までなんとなく「おじさん向けミステリ」という勝手なイメージ(駅のキオスクで主に売っていそう、みたいな)を持っていたのだけれど外してましたサーセンw
『念力密室!』のほうがデビュー作含む短篇。『幻惑密室』がシリーズ最初の長編です。文体的にも内容的にも、昔の梶尾真治と火浦功を足したような、まぁ「ミステリ」と銘打ったサイ・ファイですね。つまり面白いは面白いんですが、ドキドキはしません(注:梶尾さんはドキドキしますよ)。ミステリ目当てだとちょっと残念かもしれません。
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▼08a
とひさしぶりに業界動向ネタなど語ってみる
mixi、招待制を廃止して18歳以下の利用も可能に(Slashdot.jp)
というわけで年令制限と招待制を廃止し、Mixi内コンテンツを外部にエクスポートできるようにするらしい。しかし致命的に方向を間違えている気がするので筆をとってみた次第である。
さて昨今、クラウド・コンピューティングなる単語が賑わっているようだが、これはサービスやソフトウェアがクラウド化している、という一方的なものではなく、実は同時進行的にユーザもクラウド化しているのである。ユーザがサービスやソフトウエアをうまく把握できないのと同じように、サービス提供業者ももはやユーザを把握する事は不可能なのだ。
たとえば私は、ちょっとした日常のニュースや雑談を IRCで行い、思いついたアイディアや個人的かつ未消化な思考を Twitterにポストし、携帯電話で撮った写真を フォト蔵にアップロードし、気になったWEBサイトを Tumbrlにクリップし、読んだ本を ブクログに登録し、聞いた音楽は自動的に Last.fmに記録されるようにしている。そしてそのまとめは気が向いたときにこのブログ(というか日記)に記述する。
(IRCを除けば)これらはすべて RSSでエクスポート/フィード可能なものである。
したがって、Mixiが内部コンテンツをエクスポート可能にするのも正しい流れではあるが、戦略的には逆方向の行動をとった方が有利である。なんといっても Mixiはいわゆる「Web2.0初期」のころから蓄えた膨大なインターネット・ヘビーユーザのコネクション(つまりマイミク)という資産を蓄えており、これは今の段階で「埋蔵金」と言えるものだからだ。そして将来のヘビーユーザになりうる数百万人のアカウントという材料も持っている(公称1500万人というが実際は1/3に満たないだろう)。
そのくたびれた埋蔵金に喝を入れリアクティベートし、有望な資産に息を吹き込むには何が必要かといえば、Mixiのデータを外部エクスポート可能にするよりも外部データを Mixiに取り込めるようにすることだ。たとえば「外部データを取りまとめるだけ」のサービスしか行っていない iddyと同等の機能を、今の Mixiが持ったとしたら、Mixiは再度大化けする可能性が多いにあるのだ。
▼08c
囲い込みはホロン部/誰も差別化をありがたがらない
Mixiはこれまでユーザの要望をことごとく跳ね返し、日記に関する機能要望で3番目に賛意を得ている「日記と外部blogの併用可」をずっと見送り状態にしたままである。これはすなわち「Mixiのコンテンツには魅力があるはず」という願望からくる囲い込み行為に過ぎない。重ねて言うが Mixiの魅力(というより、資産)は蓄積したフレンドリンクなのであり、「友達限定の日記」だの(専用プレーヤが必要な)「音楽共有」などではない(だからこそ、そういったデータを外部にエクスポートできるようにするんでしょ?)。
囲い込みは必ず失敗する、といった事は Nifty時代から言われていた事だが、Web2.0といった概念が完全に定着した今となっては、もはや明瞭すぎるほど明瞭なことである。そしてこれだけ SNSが一般化した今となっては招待制という差別化をありがたがる人間もいないだろう。
SNSとはそもそもネットワークだけが資産なのであり、決してそれのみでコンテンツとしての魅力が生まれるものではない。これを改めて意識することのみが、衰退し始めた SNSを蘇らせる鍵となるだろう。
Tonbi_ko (2008/12/09 09:28)
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